真夏のアイロンかけ
夫は、会社に出勤するとき、背広を着ていきます。
夫が背広を着るようになったのは数年前からです。それ以前は、かなりラフな格好で出勤していました。
数年前、人事異動で勤務地も変わり、勤務内容も若干変わり、その勤務地はドレスコードがあるので、背広で出勤することになりました。
一見すると栄転? のような雰囲気ですが、夫に言わせるとそういうわけでもないようで、「単にお客さんと会う機会が増えただけ」と言っています。
いずれにしても、夫にとって、背広姿で出勤するのは、かなり憂鬱だったようです。
無理もありません。今の会社に入社して30年近く、基本的にラフな格好で出勤することが出来たのに、ここにきていきなり背広なのですから、かなり肩がこるようです。
そして、夫の背広出勤になって、私にも、夫の服装絡みの家事がいくつか増えました。
その中の一つが、「夫のワイシャツのアイロンかけ」です。しかも「夏限定」です。
なぜ「夏限定」なのかというと、冬場は、背広の上着を着ていたり、冬はコートを着ていることが多いので、ワイシャツにアイロンがかかっていなくてもそれほど気づかないのですが、夏場は上着を着ないので、例えばしわくちゃなワイシャツを着ていると、かなり「みっともない」のです。
さらに夫は、長袖のワイシャツは形態安定加工をしてあるワイシャツを買ったのに、夏用の半そでのワイシャツは、形態安定加工をしていないワイシャツを買っていたのです。形態安定加工してあるシャツは、普通に洗濯して干しただけでも、乾くころにはアイロンがけがいらないくらい、形が整っているのですが、そうでないワイシャツは、そうはいきません。背中はぐしゃぐしゃだし、襟元もよれよれしています。前ボタンのところも、どこか疲れた感じがします。
そんなわけで、夏場になると、夫のワイシャツのアイロンかけは、毎日必ず行うお仕事となりました。
夏場のアイロンかけは、それ以外の季節と比べて、かなりハードです。アイロンを予熱すると、すぐに部屋の温度も湿度も上がってしまいます。そして、ワイシャツのアイロンかけも、意外と難しくて、始めたばかりのころは、なかなかうまくできませんでした・・・・今もですが。(笑)
ワイシャツのアイロンかけは、洗濯が終わって、干す前の、少し湿った状態のワイシャツにかけるようにしています。多少、湿っていた方が、キッチリときれいにアイロンがかかるからです。ワイシャツ一枚ですが、アイロンがけが終わるころには、たとえエアコンがきいた部屋でも、部屋の湿度も上がっている上、私も汗だくになっています。
しかも不器用な私は、ワイシャツ一枚キレイにアイロンをかけるのにも時間がかかってしまいます。
正直、面倒くさいし、出来ればやりたくないです。
夫も、長袖だけでなく、半そでのワイシャツも、形態安定加工してあるワイシャツにしてくれればよかったのに・・・と思うこともしばしば。
それでも、この作業をさぼって、夫に、アイロンがかかっていないワイシャツを着ていってもらうこともありますが、しわくちゃの、アイロンがかかっていないワイシャツを着て出かける夫の後ろ姿を見ると、どうも夫が疲れているように思えて、申し訳なく思いますし、私がサボっている、という自己嫌悪にもなってしまうのです。
逆に、しっかりとアイロンをかけたワイシャツを夫が着て出かけている後姿を見ると、「よしっ!」と、思わず握りこぶしをしていたりします。(笑)。
「そういうのを苦労性っていうんだよ」
アイロンのかかっていないワイシャツでも平気な顔をして着て出勤している夫には、よくそう言われます。
それでも、夫が出かけるとき、しわくちゃのワイシャツで出かけていってほしくない・・・ワイシャツ姿が目立つ夏ならなおさらです。
たったそれだけのために、夏限定ですが、毎日ワイシャツのアイロンかけをしています。
夏服が終わる秋ごろが待ち遠しい今日この頃です。
そして、そのアイロンかけにも慣れたころ・・・夏も終わって、夫は上着を着て出勤するようになります。
で、今年、ワイシャツのアイロンかけになれたから、来年も慣れた状態で始められるのか? というと・・・そういう訳でもありません。
不器用で物忘れが激しい私は、来年の夏、またワイシャツにアイロンをかけ始めるころになると、せっかく今年、うまくアイロンをかけられるようになったとしても、それをすべて忘れていて、来年はまた、不器用に、無駄に時間をかけてアイロンかけをしているのあろうな・・・
