家を建てて、恋をしたお話」

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「家を建てて、恋をしたお話」

昨年、築38年の古い家を建て替えました。家を建てるにあたって、まずインターネットで資料の一括請求をしました。すぐに主要なハウスメーカー10社ぐらいから資料が届きました。資料を読んだり、インターネットで坪単価や評判を調べて、ここがいいかな?というハウスメーカーが決まりました。

幸い、家の近くに住宅展示場があり、そこにそのハウスメーカーも入っていました。早速主人とモデルハウスに行ってみました。部屋に通されて待っていると、営業マンの人が入ってきて、腰を90度に曲げて気合の入った丁寧なお辞儀をして挨拶してくれました。緊張して顔が引きつっているように見えました。

私は誠実そうな人だなあと思い、好感を持ちました。話してみて、予算の範囲で家を建てられそうだし、いい人そうなので、主人と相談してそこに決めました。営業マンの人は、仮に田中さんとしておきます。

注文住宅を建てるには、10回ぐらい打ち合わせをします。私は打ち合わせで田中さんに会えるのが楽しみになりました。田中さんは、礼儀正しくて穏やかで姿勢もよく、私は執事みたいだなあと思いました。頭もよさそうでスーツもきちんとしていて一級建築士の資格も持っています。

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主人はタクシー運転手で、私はずっとパートでお店のレジみたいな仕事ばかりだったので、スーツで働く人がとても素敵に見えました。いつも主人と私の顔を均等に見て話してくれるのもうれしかったです。私は打ち合わせが全て終わって田中さんに会えなくなる事を考えると悲しくなりました。でも家ができても、玄関に手すりを付けたり、外構工事があるので、まだ何回か会えます。

打ち合わせが全て終わり、家の工事が始まりました。その間は、主人は難しい話が苦手なので、私が窓口になって田中さんとメールや電話で連絡をとりました。家ができて住むようになっても、手すりや書類の事で田中さんと連絡をとっていました。

ある日私は我慢ができなくなって、メールに「好きです。」と書いてしまいました。結果は「ごめんなさい。」と優しくフラレました。その後も田中さんは家の工事の事で、何回か家に来ました。田中さんは何も悪くないのに、主人と話しにくそうにしていました。まるで自分が悪い事をしたみたいに。

そして私をいたわるような目で見てくれます。本当に優しい人です。会えて良かったと思っています。私は中学生みたいに、メールで田中さんにいろんな質問をしました。誕生日や好きな音楽や趣味などを聞きました。田中さんは私より5歳年下でした。

奥さんもいました。自分ではオタクと言っています。私はオタク男子って親しくした事がないので、どんな感じなのかな?と思いました。オタクの男性ってどんな女性が好みなのかな?とも思いました。まじめだから、不倫はできないのかな?とも思いました。私がタイプじゃないわけじゃないのかもしれないとも思いました。

私は、田中さんを好きになって一気に若返りました。それまでは、そろそろ更年期障害の症状が出る年頃だし、あとは年をとって死ぬだけだなと考えてました。年金の心配をしたりして。それが一気に若い気持ちになってしまい、ダイエットをがんばったり、毎日恋に胸を焦がす日々を送るようになりました。

田中さんと私の共通点のビートルズのアルバムで、田中さんの好きな「リボルバー」を聴いては田中さんを想っています。いい事ですよね?不倫したわけじゃないし。フッてくれて良かったのかな?でもメールはいつでも出していいと言ってくれました。

なかなか返信は来ないけど、幸せです。今心配なのは、私に同情して無理してメールをくれてるんじゃないかという事です。優しい人だからそれもありえます。

田中さんとは家の工事の件でたぶんもう一度会えます。私は最後に田中さんにどんな顔をするかしら?と思っています。ニッコリ笑えるかしら?それとも泣きそうな顔をしてしまうかしら?

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