楽しいはずの旅行が…
16年前にイギリスへ観光ツアーで行って来ました。イギリス8日間の旅でした。イギリスに着いて1泊目のホテルはロンドンの古いホテルでした。私は1人で参加しました。お風呂を出て横になっていたら眠気が襲ってきてすぐ眠りました。夜中の何時なのかは憶えていませんが、何気なく目を開けたらちょっと離れた所にある椅子に腰掛けた
40代くらいの女の人がニコニコ笑いながら私を見ているのです。私は眠くて寝呆けていてその人が見えただけだと思い又目を凝らして見てみたらやはりそこにいるのです。赤っぽい花柄のワンピースを着て明らかに私を笑いながら見ているのです。このまま朝まで亡霊に付き合ってもいられないので、私はその人が見えない様に反対側を向いて寝ました。
亡霊は部屋のどこかが開いていると入って来るのです。夏でしたので部屋の窓は初めから開いていました。さすがにドアはきちんと閉めました。開いている窓から入って来たのです。閉めておけば良かったのですがその部屋は1階や2階ではありません。ですから初めから開けておいたのかも知れません。
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私は何度か亡霊を見た事がありますが、その時はそんなに怖いとは思いませんでした。いつもは金縛りになるのですが、その時はそういう事はありませんでした。それにしても亡霊が見えない様にと反対側を向いてすぐ眠れたその余裕には後になって考えたら自分でもちょっと感心しました。
グタグタに疲れていたのは事実です。睡魔には敵いませんでした。ところが悲劇はまだ終わっていなかったのです。翌朝スーツケースをドアの所に出しておかないといけませんでした。私はドアが閉まらない様に右手でスーツケースを持って左手でドアを押さえていました。すると知らないうちにドアが閉まり始めていたのです。
鍵は部屋の中なので、ドアが閉まらない様に押さえていたつもりがドンドン閉まって結局左手の小指を挟んでしまいました。ボキボキと骨が折れる音がしました。すぐ添乗員さんに言いましたが骨が折れていなくても、ボキボキ音がするから大丈夫だと言われました。痛みは殆どありませんでしたが、あの音は完全に骨折した音でした。
添乗員さんが全然当てにならないので、仕方なく日本へ帰ったらすぐ病院へ行く事にしました。それにしてもあの添乗員さんは何といい加減な人なのでしょうか。今に見てて下さいと私は内心思っていました。旅行の初日からこんな目に遭うなんて一体どうしてと思いました。でも後で考えてみたらあの亡霊です。
私がそっぽを向いて寝てしまったのが気に入らなかったのかも知れません。とにかくその時は何も考えない事にしました。折角楽しみにしていた旅行なのです。日本でなら自力で何とかなるかも知れません。でも添乗員さんが大丈夫だと言い切って、全然話になりませんでした。いつしか私の骨折を同じツアーの方々の知る所となりました。
「大丈夫ですか。こうやって突っついてみて」と教えて下さいましたが、私は骨折している指を突っつくのは怖くて出来ませんでした。「初日からそんな事があったのですか」とおっしゃる方もいました。「日本でならねぇ何とかなるかも知れないけどねぇ」等色々言って下さいました。
そんな感じで日本に帰りました。翌日早速私は整形外科へ行きました。レントゲンの結果やはり骨折していました。医師には「添乗員の言う事を信じたの?」と言われました。信じた訳ではないですが私1人では出来ない事です。日本へ帰ったらすぐ病院へ行こうと思っていました。添乗員さんは何しろ大丈夫だからと言うだけでした。
保険に入っていて本当に良かったです。その旅行会社に私は電話しました。するとあの添乗員さんから手書きの手紙が届きました。今更そんな事をされても私の腹は煮えくり返っていました。もうあの旅行会社は利用したくありません。それにしてもロンドンのホテルのあの部屋は何か異常事態のあった部屋だと思います。
あちらの亡霊は明るいと聞いた事があります。部屋の窓は入った時から開いていました。そこから入ったのだと思いますが、それ程怖いとは思いませんでした。眠気の方が勝ったのだと思います。
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